秩父蒸留所~前編~
イチローズモルトで有名な、秩父蒸留所を見学させていただきました。
代表の肥土伊知郎さんとスコットランドの蒸留所でも勤められていた、吉川さんに説明を受けます。
現在はイングランドとドイツから、年間150トンの大麦を輸入。
品種はオデッセイ(ノーマル)とコンチェルト(ピーティ)
ピートはスコットランドからの輸入に頼っています。
が、ここ秩父でもピートが取れることが判明し、大麦も秩父名物ソバの裏作で栽培しているとのことです。
近い将来、メードイン秩父のシングルモルトが誕生しそうです。
粉砕された大麦麦芽で糖液をつくります。
マッシュタンに約64度のお湯が加えられマッシング。
加えるお湯の温度を70度→96度と上げていき、2000リットルの糖液が得られます。
ヒートエクスチェンジャーで、糖液の温度を約20度位に下げ、ウォッシュバックへ運ばれます。
このウォッシュバック(発酵槽)は木製で作られており材質はミズナラです。
木製は乳酸菌がすみつきやすく保温性に優れています。
新潟で培養のディスティラリーイーストによって、糖がアルコールと炭酸ガスに分解されます。
この時点で、2000リットルの糖液は10分の1の200リットルのモロミになっています。
このモロミをストレートヘッド型のポットスチルに移し、蒸留します。
ちなみに銅製のポットスチルの寿命は20年位だそうです。
左が初留釜で右が再留釜です。
約18~20分でヘッドの部分からハートへと切り替わります。
ここが一番重要で、人の嗅覚で判断します。
だいたい60~90分でテールへと移ります。
吉川さんに、3種類(ヘッド・ハート・テール)飲ませていただきました。
あきらかに、ヘッドとハートでは香りの高さが違います。
ヘッドは重たく、ハートは、フルーティで華やかな香りがしました。
テールは、香りがぼけた麦焼酎な感じでした。
続く…。