アブサン・ドリッパー
Posted On 2011年3月23日
By 店長
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現代では、低価格帯アブサンは加糖してある場合も多く、
高級銘柄の多くは無加糖でも充分なバランスを持つので苦すぎない。
よって砂糖を入れる必要はないような気もするが、
まぁ雰囲気も重要ってことで、どちらでも対応できるアブサン・ドリッパーを購入。
今回購入したタイプは、シーソー型のアブサン・ドリッパーで、
砂糖を置くタイプではなく、ドリッパーの中に直接、砂糖を放り込むタイプである。
「アブサンを水で割るだけなのに、何で、ポタポタ垂らす必要があるのか?」
という疑問には、二つの理由がある。
一つは、透明な液体が白濁していく様を見て、神秘的な悦びを見出していたという理由があげられる。
本場では美しい白濁を伴う銘柄に対しては高い評価がなされ、高品質の証でもあった。
白濁の変化を楽しむ為の専用グラス(バブル・グラス)も造られている。
こちらは、後日、紹介したい。
もう一つは、昔は、なるべく高い位置から水を垂らした方が成分が散りやすいという理由があげられる。
作家のアーネスト・ヘミングウェイは、小説「The Garden of Eden」に、こんな一文を残している。
「どうしてそんなにゆっくり水を入れなきゃならないの?」と娘に尋ねられた若者が、
「水を急いで入れすぎると、味が抜けてちっともうまくないんだ」と説明するシーンがある
高い位置からゆっくりとポタポタ水を垂らすと、良く混ざり美味くなるという、言い伝えがあるらしい・・・。